常盤公園にある、宇部市熱帯植物館が主催する春季学習会は、
17年4月から毎月2回開催され7月迄8回にわたり開かれます。
第5回目の学習会は6月11日コチョウランの交配と無菌播種
ラン科植物の交配と無菌播種
ラン科植物は、豪華、可憐、あるいは気品のある花など
個性的な花で多くの人に愛されています。
また、種子植物のなかではもっとも大きな科をなしていて、
多種多様であることも魅力です。繁殖率が低いため高価で
趣味園芸として扱われてきていましたが、無菌培養による
増殖と育苗の技術が開発されると優良個体の大量増殖が可能
になり多くの人が楽しめる花になりました。植物の種子は、
その内部の構造から胚乳を持つもの(有胚乳種子)と持た
ないもの(無胚乳種子)に分けることができます。胚乳は、
芽生えのエネルギーをまかなうための蓄えです。
無胚乳種子の−つにダイズが挙げられますが、これは胚乳の
養分が「子葉」という組織に形を変えたもので、このタイプの種子も芽生えに
必要なエネルギーを確保しているといえます。
一方、ラン科植物の種子はこの点では不十分な溝造といえますが、自然界では
ラン菌との「共生」という形で発芽のエネルギーを得ています。
コチョウランはおよそ50種の原種が東南アジアを中心に分布しています。
「胡蝶蘭」の名前は花の形からきています。英名では「モス(蛾)・オーキッド」
と呼び、属名の「ファレノプシス」もphalaina(蛾)からきています。
これらの原種を中心に交配が盛んにおこなわれ、大輪で丈夫な品種が育成され
て、鉢花や切花として普及してきました。このためには無菌播種による育苗技術が
大きく貢献しています。
また、コチョウランは単茎性であるためにカトレアやシンビジウムのような株分
けによる増殖ができません。
バイオの分野での増殖もメリクロン(成長点培養によるクローン)技術が他のラン
科植物に比べるとあまり一般的ではなく、むしろ無菌播種による苗生産のほうがお
こなわれています。
コチョウランの花の構造と交配
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ランは花粉の媒介を昆虫に頼る ことから、その花の形は昆虫の 進化とともに多様な進化を遂げ ています。 −般の草花とはかなり異なる構 ランの花は一般に寿命が長く |
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母親になる株は、元気のよい株を選 びます。 また・実生繁殖では白花種の遺伝的 なバラつきは比戟的少ないといえま すが、色物種は繁殖方法としては安 定性に欠けるといえます。 葯帽をピンセット等で持ち上げると、 内側に葯塊が着いてはずれてきます。 この葯塊をピンセットやマッチ棒 などの先端に付けて柱頭の位置に付着 させます。 |
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コチョウランの花粉塊 |
![]() 交配後受精 したコチョウラン |
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交配の日付、交配親の名前を明記したラベルを付けておきます。 |
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無菌播種
播種の適期は、交配後5〜6ヶ月頃のさくが開裂する前です。
長くおきすぎるとさくが開裂し中の種子が外気にさらされてしまいますので、
種子自体を殺菌する必要が生じ、操作が面倒になるとともに発芽率にも影響
します。
コチョウランの種子の保存性については、貯蔵により発芽率が低下するので
さくを採取したらただちに播くのがよいとされています。
しかし約10℃で1ケ月程度の冷蔵保存で発芽に支障がなかった例もあります
ので、短期間の冷蔵保存は可能です。
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1.さく果の表面に虫害や病害の傷がないか |
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![]() 交配後6ケ月のさく(05.年1月10日交配) |
![]() さく果を開裂した状態 |
![]() 種子の顕微鏡写真 |
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