影絵 ・文/石井昭さん(宇部興産〜テレビ山ロOB)

札幌の雪を山口県の竹が除雪する

    山口県福江村

 今年もまた冬がやってきました。北海道の札幌は大通り公園を数々の雪傾が飾る雪祭りで有名ですが、もう一つ冬の風物詩として市民に親しまれているものがあります。札幌の街路を走る路面電車を雪から守る「ササラ電車」がそれです。

 昔から札幌の路面電車にとって雪との闘いは悩みの種でした。人力中心の除雪から効果的な機械除雪を図ろうといろいろな苦心が繰り返され、当時の札幌電気軌道株式会社の助川貞技接師長が現在のササラ電車の原型を考案するに至りました。19251月のことです。


大正期のササラ電車とその他の除雪電車

ササラは、竹を細く割って束ねた、ちょうど「たわし」のように鍋や釜などを洗う道具でしたが、ササラ電車も回転軸の周りにササラを植え付けて車両の前後に設置し、走行しながらこれを回転させて雪を払い飛ばすものです。そしてこのササラに使われる竹が、遠く本州の西端である山口県福江村産出の竹なのです。


本来のササラ。こんな形だったのでしょうか
ササラは、竹を細く割って束ねた、ちょうど「たわし」のように鍋や釜などを洗う道具でしたが、ササラ電車も回転軸の周りにササラを植え付けて車両の前後に設置し、走行しながらこれを回転させて雪を払い飛ばすものです。そしてこのササラに使われる竹が、遠く本州の西端である山口県福江村産出の竹なのです。


 福江村の竹がなぜササラ電車に使われるかというと、節の間が長く、均質・均一サイズのササラが得られること、強じんなこと等が理由のようです。

 地元の「たびてつ研究会」という会のホームページにもササラ電車の詳しい紹介があり、ササラの回転方法が98年からは従来のモーターチェーンドライブから油庄方式に変わったことや、山口県のササラの竹が強じんなのは「三本の矢」の故事に習っているのでは(?)などの説明がされています。

もし冬の北海道に旅される機会がありましたら、美しい雪景色や冬の味覚に加えて、この地で活躍している福常村の竹にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


現在のササラ電車。車軸とは斜めに取り付けたササラ軸を回転させ、進行方向左側に雪を排出します。


札幌市観光課の阿部さん、山口県広報係の高山さん、そして山口県21世紀の森管理センターの松本さんにお話を伺いました

ササラ電車の姿が見れます 
http://www.city.sapporo.jp/st/stcar.html