常盤公園にある、宇部市熱帯植物館が主催する春季学習会は、
17年4月から毎月2回開催され7月迄8回にわたり開かれます。
第1回目の学習会は4月9日春楼(サボテン)の種を培地に播く
平成17年度第1期(4月〜7月)
バイオテクノロジー体験学習会
第一回4月09日(土曜日)植物バイオテクノロジーってどんなもの?
第二回4月23日(土曜日)クリンベンチの使い方に慣れる
第三回5月14日(土曜日)大量増殖1(セントポーリアの葉片培養)
第四回5月28日(土曜日)大量増殖2(コチョウランの花茎培養)
第五回6月11日(土曜日)ラン科植物の無菌播種
第六回6月25日(土曜日)大量増殖3(ヒメユリのリン片培養)
第七回7月09日(土曜日)大量増殖4(セントポーリア不定芽の移植)
第八回7月23日(土曜日)培養植物の順化・観賞用寄せ植えの制作
試験管の中の植物
私達のまわりは、細菌やカビなどの微生物に満ちています。土の中や水の中はもちろん、空気中にも目には見えない細菌、カビの胞子や菌糸が浮いています。
微生物には、動物や植物にとって病気の原軋こなるものもありますが、パンやヨーグルト、みそ、お酒などの食品をつくるのに欠かせない役に立つものもたくさんあります。これらの有用微生物を利用する技術としての発展がバイオテクノロジーの始まりです。
植物の成長と微生物の間には、さまざまな関係が成り立っています。土の中の有機物を分解して植物が吸収できる形にしたり、土の中の養分を取りいれるのに直接役に立っていることもあります。一方、植物は、根を張り、葉をいっぱいに広げて元気に成長しているときは、病気にかかりにくいものです。ところが、からだに傷がついたりして、そこから病気の原因になるカビや細菌などが入ってくると病気にかかります。自然のなかでは、このほかにも気候や土壊の種類など植物を取り巻くいろいろな要素が働いています。では、ガラスやプラスチックの容器の中で植物を育てる培養では、容器の中はどうなっているのでしょうか?
培養では、栄養分を含む培地が土の代わりをします。温度も光も栄養も恵まれた環境で、病気の原因となる微生物もいません。外から撤生物が入らないように容器は密閉されて無菌状態が保たれています。これを無菌培養といい、そのための操作を無菌操作といいます。
培地の中には栄養分や糖分、ビタミン頬などのほかに、植物ホルモンを加えることもあります。
これは、植物の成長を調節するもので、植物自身が体内で作り出す天然のもの、人工的に合成されたものなどいろいろの種類が利用できます。これらの種類や濃度の組み合わせで、たとえば芽をたくさん作ったり、根を出させたりする培養を行なうことができます。また、葉や茎、根といった器官を作らず細胞のままでどんどん増殖させることもできます。
培地の種類も、数多くの種類が開発されています。市販の液体肥料を利用した簡単なものから、植物の細胞1個からの培養で完全な植物体を復元するための培地まで培養の目的によって使い分けます。
このように培地の成分や培養方法を工夫することによって、用土や養液を用いた植物の栽培では得ることのできない品種改良(育種)や大量の増殖を行なうことができます。
さらに、「除草剤抵抗性大豆」や「青いバラ」など最近の植物バイオテクノロジーの分野で取り上げられることの多い遺伝子工学技術には、このような培養の技術が欠かせません。第1回目の学習会は、クリーンベンチ内で、メキシコ原産のサボテンのシュンロウ(春楼)の種を殺菌して、培地に播きます。
サボテンの芽生えの形の意外さとサボテンらしさが少しずつ出てくるところを楽しめます。
左の写真はシュンロウ(春楼)の花でこれから種を取り出し、培地播種のために殺菌を行
います。サボテンの無菌播種
無菌操作や培養に慣れるれる第一歩として無菌播種を行ない、無菌植物の作出をしてみましょう。
無菌播種とは、材料となる種子を殺菌して無菌状態で培地上に播き発芽させることですが・ラン科植物で利用されることが多い増殖の方法です。ラン科以外の植物では、他の培養に使うための無菌植物を得る場合にも用いられます。
培地に種子を播く
滅菌済みのシャーレの中でお茶パックの袋を開いて種子を取り出せるように準備します。
クリーンぺンチの中は無菌の風が流れていて植物材料は乾燥しやすいので、必要な時だけシャーレ
のふたを開けるようにします。種を無菌播種したものを
倍地の中で培養させる。